このページはミニチュアカーに使用されている材質についてご案内させていただきます。現在のミニチュアカーの多くはダイキャスト製が大半を占めますが、ダイキャスト以外にも多くの材質が使用されています。材質の違いでそのミニチュアカーの個性も大きく変わってきます。

亜鉛合金を溶かして精密な金型(ダイス)に高圧力で流し込み製品を作る方法。短時間に大量の製品を作ることができます。現在、流通している製法の中でもっともポピュラーな製法ですが、金型にコストがかかる事、大量に販売する必要がある為、少量生産には不向きで大手メーカーだけの製法になり、人気のある実車がモデルになるケースが多い。画像はダイキャストに拘りを持ち続けているフランスはソリド社製のマトラ。丸みを帯びた複雑な曲線を見事なまでに再現しています。ダイキャストならではの精度の高さが見られるミニチュアカーです。

鉛とスズの合金で文字通り白い金属。アンチモニーと同じく非常に柔らかく、加工をするのが容易です。鉛を使う為、重量があり製品に重量感を与えます。成型はレジンと同じようにゴムを使用します。精密な金型は不要で、少量生産向きの製法です。画像はホワイトメタル製品を少量販売しているイギリスはブリックリン社製のボルボ。手に取った時のズッシリとした重量感があるミニチュアカー。少量生産の為、販売価格は高い。

鉛とアンチモンの合金なためこの名称で呼ばれています。非常に柔らかい金属であるため、加工が容易で高価な金属金型を必要としません。そのため少量生産に向いているといえます。ダイキャストよりも重さがあり、ホワイトメタルと同じくどっしりとした重量感を味わえます。しかし素材が高価なため現在では貴重な存在になってしまっています。画像はアイ・アド・カンパニー社製のセドリック。レトロな車にも良く合った素材。こちらも少量生産の為価格は高い。

ゴムで作った型にポリストーンという合成樹脂を流して製造します。型がゴムなのでダイキャストに比べコストを押さえることができます。しかし、レジン同様、大量生産には不向き。また素材の性質上、製品の個体差が出やすく、窓が黒くなってしまうため車内を表現することがはきません。コールドキャストという名称は同様の製法で作るレジンが成形時に発熱するのに対し、ポリストーンは発熱しないことからこの名称で呼ばれています。画像は京商社製の日野コンテッサ・クーペ。コールドキャストならではの手づくり感が魅力のミニチュアカー。

シリコンゴムで作った型に、ポリエステルレジンというポリエチレン樹脂に粉末の炭酸カルシウムを入れて固めたものを流し込んで作られます。型となるシリコンゴムや素材のレジンが高価なため、価格も総じて高くります。型がゴムなため大量に作ることが出来ず、いくつか作ったら型を調整するか新たに作らなければなりません。また、成型されたキットは精度を出すために手作業で調整をする必要があります。ガレージキットの素材として多く用いられ、プロによる仕上げには素晴らしいものがあります。

ダイキャストとほぼ同じ製法で作られます。金属の型にプラスチック(ABS樹脂など)を流し込みます。大量生産が可能でコストも低く抑えられる為、製品価格は安価になりますが、見た目が玩具っぽくなりダイキャストのような重量感はありません。一部のメーカー等はダイキャスト板を装着し重量感を出す工夫をしています。画像はプラスチック製ミニチュアカーを古くから手掛けるフランスはノレブ社製のシムカ。プラスチック製ならではの玩具っぽさが魅力です。